【連載第二回】 Claude・GPT・Gemini・Grok から選べるようになり、AIに任せられる範囲も広がりました

はじめに:選べるAIと、AIに任せる新しいステップ

前回は、日常の業務で使うツールとつなげる先が増え、自動化の最後に残りがちな人の転記の負担を減らせる、という話をしました。

今回はその続きです。つなげる先が増えたことに加え、この1年でもう一つ、大きく広がった選択肢があります。それは「どのAIを使い、どこまでをAIに任せるか」という選択肢です。

その中でも特記すべき大きな変化は二つあります。フローの中でAIを使う部品で選べるAIモデルが増えたこと、そしてAIに任せるための新しいステップが増えたことです。本記事では、その二つの改良について順に詳しく説明していきます。

その①:選べるAIモデルが増えた

Jinba Flow では、ワークフローの中に AI で文章を作成させたり内容を判断させたりするステップを追加することができます。ステップで使用する AI モデルはドロップダウン(クリックすると候補が一覧で開く選択欄)から選ぶことができますが、この候補が、この 1年で増えました。

選択できるAIは6種類、15モデルにのぼります

例えば、文章を扱うAIでは、Claude Opus 4.8、GPT-5.5、Gemini 3.1、Grokなどから選べます。AIモデルは提供する会社によって得意・不得意が異なります。Jinbaでは業務に合うものを選べることが最大の特徴の一つです。

さらに、画像や動画を作るAIも選べます。画像を生成する Gemini Nano Banana、動画を生成する Sora2 などです。従来は文章中心だったフローに、画像や動画を作る工程まで組み込めるようになりました。さらに、古くなったAIモデルには選択欄で「非推奨」の表示が出るので、避けたほうがよいものが画面で分かります。

なお、これらのAIモデルは順次増やしてきたものです。掲載時点でどれを選べるかは、最新の対応状況をご確認ください。高性能なモデル(Proと呼ばれる上位のもの)の利用は、上位プラン向けになっています。

その②:AIに任せる新しいステップ部品が増えた

選べるAIが増えただけではありません。「AIに任せる」ためのステップそのものが、フローに置けるようになりました。以下では詳しく三つの方法をご紹介します。

AIエージェントステップ (Claude Managed Agent)

一つめは、Cluade を活用したAIエージェントステップです。フローの一部分に「決まった手順」ではなく「AIに判断させる」ステップを追加することができます。

これまでのフローは、あらかじめ決めた手順どおりに動くものでした。一方、毎回少しだけ状況を見て決める作業は手順だけでは書ききれず、人の手作業として残りがちでした。AIエージェントステップは、この「状況を見て判断する部分」だけをフローに差し込めるようにしたものです。定型処理は決まった手順で確実に進め、判断が必要なところだけAIに任せる。そのようなステップの配置ができるようになりました。

追加の仕方は簡単です。追加したい部分の手前のステップのノードの「+」ボタンから「Claude Managed Agent」を選び、直後に配置するだけです。

ブラウザ操作ステップ (Brouse Use Run Task)

二つめは、ブラウザ操作ステップです。AIが実際にブラウザを開き、画面を見ながら、フォーム入力やボタンの押下など人が画面で行う操作を代わりに進めるステップです。

大切なのは、対象が「つなげる口のあるサービス」に限られない点です。前回の記事で紹介したつなげる先は、つなげる口が用意されたサービスでした。しかし業務には、社内だけで使う古い管理画面といった、つなげる口がなく、人が画面を見てクリックし文字を打ち込むしかない画面業務もあります。こうした業務は自動化を諦めるしかありませんでしたが、人が見て操作できる画面なら、その操作をAIに肩代わりさせられます。

追加の仕方は簡単です。妥当部分のステップのノードの「+」ボタンから追加します。今回の場合は「Search & Data」から「Run Brouser Task」を選び、直後に配置するだけです。

すべてをAIに任せきりにしない仕組みも備えています。ログイン認証や本人確認のように人が操作すべき場面に来ると、AIはいったん処理を止めて人に作業を渡します。これを「人手引き継ぎ」と呼びます。処理が止まると確認用の画面にそのときのブラウザの状態がそのまま映り、人はそこでログイン情報などを入力します。認証が終わるとAIが続きを再開し、ログイン済みの状態は引き継がれるため、前後で作業は途切れません。このような仕組みがあるため、さまざまな業務を安心してAIに任せることができます。

MCP対応:他のAIから自社フローを呼べる

三つめは、外部のAIとつなぐためのステップの導入です。ここで MCP という言葉が出てきます。MCP とは、AIが外部のツールやデータと安全にやり取りするための共通規格です。「規格」とは、つなぐ相手同士があらかじめ合わせておく共通の決まりごとです。これがあると、相手ごとに個別の作り込みをしなくても、対応したツール同士がそのままつながります。

MCP は、2つの向きに分けて考えると分かりやすいです。

  • 取り込む向き:MCP に対応した外部のツールを、Jinba Flow のフローに取り込んで部品として使う。
  • 公開する向き:自社で組んだフロー自体を一つの「ツール」として公開し、ほかのAIから呼び出してもらう。

今回のアップデートにより新しくなったのは、公開する向きです。これまで Jinba Flow は外部のツールを使う側でした。今回は逆で、自分たちが作った自動化を、ほかのAIに使ってもらう側にもなれます。たとえば、ふだん使うAIアシスタントに話しかけるだけで、その裏で自社の業務フローが動く、という使い方ができます。

実際の活用例

ここまで紹介した機能を、一つの流れで通して見てみます。

  1. AIを使う部品で、ドロップダウンから業務に合うAIモデルを選びます。
  2. フローにAIエージェントステップを置き、「ここはAIに判断させる」と指示を書きます。
  3. ブラウザ操作ステップで、つなげる口のない画面の入力を進めます。ログイン画面に来るとAIが一時停止し、人がその場で引き継ぎ、終わるとAIが再開します。
  4. 完成したフローをMCPツールとして公開し、社内の別のAIアシスタントから呼び出せるようにします。

人がやることは、選んで、置いて、要所だけ引き継ぐことです。「どのAIで、どこまで任せるか」を、一つずつ手元で決めながら組み立てられます。

選んだAIを運用の中に組み込める

ここが、汎用のAIを個別に使うこととの違いです。選んだ AIモデルも、AIに任せるステップも、フローの一部として前の部品の結果を受けて動き、後のステップへ渡します。さらに、統制の仕組みの下にも置かれ、途中で人の承認を挟むことも、動いている処理を止めることもできます。増えた選択肢は「AIが使える」だけではなく、「AIの判断を、実際に動く業務の流れに乗せられる」ところまでつながっています。

「全部AI任せ」ではなく、要所は人が押さえる設計

三つのステップに共通するのは、AIに丸投げしない設計です。ブラウザ操作では、ログインや本人確認のように人が責任を持つべき場面は認証を残します。AIエージェントステップでは、判断が要る箇所にだけAIを置き、定型の箇所はこれまでどおり決まった手順で確実フローを実行させます。MCPの公開でも、何を外部に渡すかは作り手が選ぶことができます。

どんな業務から始めるとよいか

この記事を読んでくださった人の中には、触ってみたいけど、どんな業務から始めればいいかわからないという人もいると思います。今回は実際に活用しやすい入口を三つ紹介します。AIエージェントステップは、定型処理は固まっているものの、毎回ひとつだけ「内容を見て決める」判断が必要な業務に。ブラウザ操作ステップは、接続口のない画面で繰り返し発生する定型操作、とくにログインを挟む画面業務に。MCPの公開は、すでに作って繰り返し使っているフローを、別のAIアシスタント経由でも呼びたい場合に向きます。

いずれも、いきなり全体を作り替える必要はありません。判断の一箇所だけをAIに任せてみる、画面操作の一業務だけをブラウザ操作で試してみる、使い込んだフローを一つだけ公開してみる。そこから手応えを確かめていただけます。

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まとめ

この1年で、Jinba Flow は「どのAIで、どこまで任せるか」の選択肢を広げました。文章を扱うAIに加え、画像や動画を作るAIまでドロップダウンから選べるようになり、AIに判断を任せるAIエージェントステップ、AIが画面を操作し人が引き継ぐブラウザ操作ステップ、他のAIとつなぐMCP対応という新しいステップ部品が加わりました。

選んだAIも、AIに任せるステップも、ただ動くだけではありません。止まらない実行と統制の仕組みの中に組み込まれ、重要な箇所は人の判断で押さえられます。AIの判断を、実際に動く業務の流れに乗せられるようになった、というのが今回の一点です。

今回は、どのAIで・どこまで任せるかという選択肢をご紹介しました。次回は、実際にフローを「作る」場面での Jinba Flow の改良についてです。そうした部品を並べてフローそのものを組み立てる操作は、この1年でどう変わったのか。非エンジニアでも組み立てやすくなった、その話を次回お届けします。どうぞご期待ください。


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